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パーキンソン病の診断・治療

神経内科疾患の中で、パーキンソン病は最も有名な病名の一つであり、頻度は10万人に100人と言われており、高齢化に伴い患者数が増加しています。4つの特徴的な症状は

  1. 振戦(特にじっとしていたり、歩いたりする際の震え)
  2. 固縮(体が固まる、固くなる)
  3. 無動・寡動(動作がゆっくりになったり、小声になったりする)
  4. 姿勢反射障害(こけやすくなる)です。

症状の進行は片側から始まるのが一般的で、進行すると表情が乏しくなったり、小刻み歩行、すくみ足、突進歩行なども見られます。また自律神経障害も必発で、便秘や起立性低血圧、失神もよくみられます。はっきりとした原因は不明ですが、中脳にある黒質のドパミン神経細胞が変性し、減少することで発症すると言われています。よって治療法はドパミンを補うような薬剤となり、ドパミンの受容体を刺激するドパミン受容体刺激薬やドパミンの先駆物質であるレボドパがあります。これらの薬物療法は一定の副作用を伴ったり、ある程度の期間にわたり使用すると効果が減弱したりします。外科治療も有効で、脳深部刺激療法(DBS法)というものがあり、大学病院などで専門的に実施されています。
 パーキンソン病は「難病で、寝たきりになってしまう恐ろしい病気」といったイメージを持たれてしまいがちですが、研究が進んでいる病気であり、治療薬もたくさんある病気です。治療薬がたくさんあるからこそ、先々まで考えた治療計画が大事になります。
 また、パーキンソン病とは異なり、パーキンソン病様症状を有する疾患群をパーキンソニズムと言います。ふるえる以外にも、足が出にくくなったり、動作が緩慢になったりする病気です。また、パーキンソン病とは異なり、パーキンソン病様症状を有する疾患群をパーキンニズムと言います。下記のような疾患が挙げられそれぞれ治療法が異なりますので、鑑別を要します。

  • 多系統萎縮症
  • 進行性核上性麻痺
  • 皮質基底核変性症候群
  • ハンチントン病
  • アルツハイマー型認知症
  • 薬剤性パーキンソン症候群
  • 脳血管障害性パーキンソン症候群
  • ウィルソン病

など

パーキンソン病に似ているけれど、異なる病気をしっかり区別して診断することが重要です。経験豊富な専門医に、納得できるまで相談ください。

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